【その38】 国交省09年度予算概算要求 公共事業費19%増6.2兆円
〜安心・安全、地域活力など重点〜
国土交通省は27日、09年度予算の概算要求をまとめた。一般会計の要求総額は前年度比17.7%増の6兆9372億円で、うち一般公共事業費には5兆9008億円、災害復旧や国土形成事業調整費や災害対策等緊急事業推進費などを含めた公共事業費の総額では同18.8%増の6兆2629億円を要求する。「安全・安心で豊かな社会づくり」「地球環境時代に対応した暮らしづくり」「地域の活力と成長力の強化」の三つを重点的に推進する分野に掲げた。財政投融資の要求額は前年度比17.8%減の2兆9953億円。各高速道路会社に対する財政投融資は09年度が最終年度となる。
同省は概算要求に当たり、重点3分野の中でも、「災害等から命を守る」「生活者の視点に立った安全施策の展開」「海洋立国の推進」「低炭素社会の構築」「地域の自立・活性化」「魅力ある国際都市づくり」「観光立国の推進」の7項目を柱に据えた。
安全・安心な社会づくりでは、高度成長期に集中投資した道路、河川、下水道、港湾などの社会資本ストックの超寿命化に4632億円を計上。各施設の超寿命化計画の策定を進めるほか、「下水道総合地震対策事業」(仮称)を創設し、下水道施設の耐震化を促進する。
地球温暖化に伴う災害リスク増大への緊急的対応の強化として1207億円を計上。流域自治体と連携した河川整備や、既存ダムを活用した治水対策の強化、総合的な土砂管理による海岸の浸食対策などの事業をおおむね5年間を目標に重点的に実施する枠組みを創設する。
高齢者が安心して暮らせる住宅セーフティーネットの充実として2686億円を要求。福祉政策と連携し、生活支援サービスが受けられる高齢者向け賃貸住宅の供給を促進するための制度を創設する。歩行者や自転車に配慮した道路空間の再構築には1637億円を盛り込んだ。
地球環境時代に対応した暮らしづくりでは、住宅・建築物の省資源・省二酸化炭素(CO2)対策の推進に300億円を要求。住宅の長寿命化(200年住宅)の普及啓発や技術の進展に寄与するモデルプロジェクトを進めるほか、エネルギー自給型の「ゼロ・エネルギー住宅」の開発も推進する。
最新技術を導入したグリーン庁舎の整備として43億円を計上。シースルー型太陽光発電パネルや発光ダイオード照明などの最新技術を導入した庁舎の整備や改修に取り組む。
地域の活力と成長力の強化では、幹線道路網の整備と有効活用に1兆1597億円を要求。高速交通ネットワークや都市圏の環状道路の整備を進める。
空港や港湾などの物流効率化・流通活性化を通じた地域活性化には956億円を計上。臨海部への企業立地による地域活性化を進めるため、多目的国際ターミナルの整備、効率的な産業物流を実現する「臨海部産業エリア」の形成を促進する。
新幹線整備の着工区間には812億円を要求。未着工区間については、安定的な財源確保の目途が立った段階で着工を追加要求する。都市鉄道ネットワークの充実には113億円を計上。10年度開業予定の成田空港アクセス鉄道を活用して成田から羽田両空港間のアクセス50分台などの実現に向けた鉄道アクセス改善方策の検討を進める。
2008.8.28「日刊建設工業新聞」より |