【その28】 建築確認の厳格化で業務量増大顕著に−7割が「報酬確保できず」
                                〜日事連の実務への影響調査で明らかに〜

 日本建築士事務所協会連合会(日事連)は26日、昨年6月施行の改正建築基準法で厳格化された建築確認審査が会員事務所の実務に与えている影響についてのアンケート結果を発表した。設計開始から審査受付までの業務量が、改正法施行前と比べ1.6〜2倍に増加した事務所が38.1%、2.1倍以上になった事務所が18.6%に上った。中でも構造設計業務が2.1倍以上増加した事務所が26.2%になるなど、構造設計業務の負担増が判明した。構造技術者の多忙と業務科の高騰で構造設計業務の外注に支障が出ている実態も明らかになった。
調査は、3月21日から4月15日に500の会員事務所を対象に実施。07年11月以降に新規の確認審査を終了または審査中の物件について調査し、385社から回答を得た。回答した事務所の67%は人員が9人以下の規模。構造設計者がいない事務所が54%、設備設計者がいない事務所が79%を占め、大半の事務所は構造と設備の設計業務を外注している。
設計開始から確認審査受付までの業務量の増加状況は、意匠設計が1から1.5倍が45.7%、1.6倍から2倍が31.2%、2.1倍から3倍が4.3%、3倍以上が1.2%。構造設計は1から1.5倍が23.3%、1.6倍から2倍が36.7%、2.1倍から3倍が19.3%、3倍以上が6.9%。設備設計は1から1.5倍が52.2%、1.6倍から2倍が17%、2.1倍から3倍が2.2%、3倍以上が0.7%。
構造設計を中心に業務量が増加している一方で、業務量に見合う報酬については、「まったく確保できない」との回答が約7割を占めた。
構造設計を外注している事務所では、「引き受けてくれる構造事務所が見つからず困惑」、「新しい構造事務所に変えた」となっており、従来の協力事務所に業務の受託を断られている実態が浮き彫りとなった。断られる理由には、構造技術者の不足や、構造設計委託料の高騰、掛け持ち業務の増加などが主な要因となっている。
一方、構造設計業務を受注している事務所の86%が「業務を断ったことがある」と答えた。その理由は「業務の多忙」や「報酬が折り合わない」などだった。

     構造技術者の就業状況では、「満足な休み(土日・祝日)がとれない」との回答が47%に上り、技術者の労働環境の悪化が顕著になっている。「構造技術者の補充・拡充を計画しているが採用できない」との回答も53%あり、技術者不足が慢性化して当面は業務環境の改善が難しい実態も明らかになった。   

  2008.5.27「日刊建設工業新聞」よ