【その18】 石綿対策・第2ラウンド
厚労省−作業規制見直し、国交省−小規模建物の対策
建築物に使われているアスベスト(石綿)への対策を強化するための政府内の検討が本格化してきた。
厚生労働省は、建築物の解体工事現場で石綿繊維の濃度に応じた保護具の使用を義務付けることなどを含め、石綿障害予防規則の見直し議論を進めており、改正が必要と判断した場合には年内にも新規則を施行する方針。
国土交通省は、現状では対応が進んでいない延べ床面積1000平方メートル未満の民間建築物について、対策を講じていくための調査に08年度着手する。石綿による健康被害は05年に大きな社会問題となり、製造・使用規制の強化といった対応が講じられたほか、建築物からの除去対策なども進展してきたが、作業が本格化する中で課題も明らかになっており、政府は実態を踏まえて対策強化に取り組む。
石綿は9割以上が吹き付け材や内・外装などの建材で使用されており、石綿の繊維を吸い込んだことによる「中皮腫」などの深刻な健康被害が指摘されていた。大きな社会問題になった05年以降に対策が加速し、吹き付け石綿などの除去計画の届け出件数は04年までは年間1000〜2000件程度で推移していたが、05年には6329件、06年には1万4573件と、この3年間で急増した。
厚労省は、建築物の解体時には石綿粉じんの飛散防止や作業員の石綿粉じんばく露防止などの措置を取るよう「石綿障害予防規則」で義務付けている。しかし、現行規則では作業員が着用する保護具などの使用に関しては詳細な規定がなく、石綿繊維の濃度が高いにもかかわらず、適切な対応が図られていないケースがあるとの懸念が出ている。このため同省は、建設業労働災害防止協会がまとめている「ばく露防止マニュアル」などを踏まえ、石綿繊維の濃度に応じて必要な保護具の着用を求めることなどを検討するとしている。
国交省は、小規模の民間建築物でも対策を徹底するための検討を本格化させるとしている。同省はこれまで、おおむね延べ床面積1000平方メートル以上の民間建築物を対象に石綿使用の実態調査を実施してきた(調査結果の推移図参照)が、総務省が行った1000平方メートル未満の建物のサンプル調査で石綿の使用が判明した。昨年12月11日には、総務省が国交省などに対して「アスベスト対策に関する調査結果に基づく勧告」がなされました。この勧告を受け、国交省は12月28日付けで「民間建築物における吹付けアスベストの飛散防止対策等の徹底」について都道府県あてに通知した。
現行制度では、改築などを行う場合以外は石綿含有建材を使用していても違法状態ではないため誘導策が課題となる。
2008.1.11「日刊建設工業新聞」より
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