【その13】  改正建築基準法施行からカ月 〜木造階建てが建てられない  

 改正建築基準法の施行から1カ月、木造3階建ての確認申請を行うことは難しい状況が続いている。木造3階建ての審査基準は再検討され、構造計算ルールも見直された影響だ。
  以下にまとめたのは、現状で木造3階建て住宅が建てにくくなっている主な理由だ。これまでの大臣認定プログラムが使えなくなったことに加え、構造計算書書式の統一に伴って「構造計算概要書」や「応力図」といった新しい書類も必要になった。7月上旬時点で、これらに対応した構造計算ソフトは発売されていない。
  中でも予想外に深刻なのは層間変形角のルール変更だ。これまで木造に限っては、「中地震時における層間変形角120分の1」で安全性を確認すればよかったが、この数値がほかの構造と横並びの「200分の1」に変更された。変形を「200分の1」で収めるためには耐力壁を増やしたり、単純なプランとする必要がある。
  従来どおり「120分の1」を用いるなら、変形時に外壁材が脱落しないことを証明しなければならない。このためには外壁材メーカーからデータを取り寄せる必要もある。「モルタル外壁は材料の調合比率に基準がなく、塗り厚で性能や破壊性状が違う。性能は証明できないのではないか」と指摘する専門家もいる。
  木造3階建てに限らず、当事者として直面して初めて実感する「法改正の影響」はいろいろとある。改正建築基準法の施行から1カ月。静かに始まった「周知なき大改正」の波紋が、少しずつ実務者の間に広がっている。

(7月24日「ケンプラッツ」より )

2007.7.24