【その139】 年収650万円以上に目標設定/上級職長の処遇改善へ、大手が先導
                                                 〜電設協〜

 日本電設工業協会(電設協、林喬会長)は、登録電気工事基幹技能者(上級職長)の処遇改善に向けた取り組みを加速させる。「50歳の平均年収を現状から50万円引き上げ650万円以上にする」との目標を掲げ、まずは大手企業から仕組み作りに着手する。具体策として職務手当の支給などを想定している。
  電設協は昨年度、人材委員会(菅沼敬行委員長)に基幹技能者処遇改善検討ワーキンググループ(WG)を設置し、処遇改善の具体策や効果などを検討してきた。会員企業へのヒアリングで、基幹技能者を配置して施工した場合、▽配置技術者の人数が減らせ人件費が抑えられた▽工程や安全などの管理が行き届き手直し工事が少なくなった―などの効果があったことを確認。電気工事の現場で統括的な責任を果たす上級職長の社会的な地位を高めるためにも処遇改善が必要との結論に至った。人材委の検討結果を踏まえ、電設協は「平均年収で650万円以上を目指す」との目標を設定。経営基盤や財務状況を踏まえ、大手の会員企業から具体的な仕組み作りに着手するよう求めることにした。
  処遇改善が企業経営と密接に関わることから、「各社の判断に基づき実現可能な方策を検討する」よう要請。同WGの検討成果として、職務手当の支給を方法の一つとして提案した。提案内容によると、職務手当の支給対象は職長の中でも登録電気工事基幹技能者の有資格者とし、現場への出勤状況に応じて支給。手当相当額を請負代金の一部として協力会社に支払うとした。手当が確実に支払われるよう、会員企業は工事発注書に基幹技能者の手当相当額を、協力会社は工事見積書に職務内容と金額をそれぞれ明記する案を示した。

  電設協が昨年度実施した「電気技能者(電工)労務費調査」で、50歳の電工の平均年収は602万円。建設技能者の賃金は他産業に比べても低く、若年者の入職減や定着率低下につながっているとされる。国土交通省も基幹技能者の評価を高め、活用を促進する策として「基幹技能者の処遇改善」に業界全体で取り組む必要があるとの立場を取っている。電設協が認定している電工の上級職長は昨年度末時点で約4900人。大手の会員企業が先導する形で基幹技能者の地位向上と処遇改善に本腰を入れる考えだ。   

2011.10.14 日刊建設工業新聞より