【その10】 改正建築士法成立 −耐震偽装の再発防止へ新制度の実効性が試される−
/技術力、第三者性の担保不可欠
耐震偽装問題の再発防止策第2弾として、建築士制度の抜本見直しを盛り込んだ『改正建築士法』などが、12月13日午前の参院本会議にて全会一致で可決、成立した。国土交通省は、建築士に課す講習内容などの細部を、これから1年程度をかけて詰めていく方針で、法の施行は一部を除いて公布日から2年以内を予定。
今回の法改正では、構造と設備の分野で高度な能力を持つ一級建築士の認定制度を創設。一定規模以上の建築物は、設計段階で認定建築士による法適合チェックが義務付けられる。
認定対象には、構造では日本建築構造技術者協会(JSCA)の「建築構造士」と日本建築士会連合会の「構造専攻建築士」を想定。榊正剛住宅局長は、全国で3000人強が見込まれ、「対応可能」と判断しているが、高度な能力を持つ技術者は大都市に集中しているのが実態。JSCAなどの公表資料によると、建築構造士などの数は、東京都の1207人に対し、和歌山県は1人で、20県で20人を切っている。埼玉県では、67人が認定対象となる。
建築士や設計事務所は能力向上を迫られることとなる。
(1)建築士には3年に一度の講習受講を義務化。
(2)構造と設備の一級建築士は、5年以上の実務経験と講習修了が認定条件。
(3)管理建築士は3年以上の実務経験と講習修了が要件。
これらの講習では修了考査の通過が必修で、この考査レベルが新制度の“質”を担保するカギとなる。
建築士試験も実務重視に改められ、併せて、第一戦の技術者に適切な報酬が支払われるよう報酬基準も見直すとしている。
また、国土交通省は第3弾として、保険などで住宅の瑕疵担保責任の履行確保措置を義務付ける制度の検討を進めており、来年の通常国会での法案提出を目指している。
(12月14日 日刊建設工業新聞より) |